音読が優れている3つのポイント
音読はあらゆる英語のトレーニング方法の中で1、2を争うほど重要で効果の高いトレーニング方法です。
・音読は記憶力をアップさせる
・音読をすると理解が深まる
・音読には自己参照効果がある
音読をするということは、口を動かして声に出すことになり、同時に自分の耳で聞くことも含まれます。黙読をしている場合と音読をしている場合で、自分の理解度や記憶への定着率に差があるようには思えないかもしれませんが、口を動かすという運動機能の刺激や耳に入ってくる音の刺激などが与える影響はかなり大きなものがあります。
通常の声と大きな声、それぞれの音読を比較した場合では大きな声のほうがより記憶に定着するということが分かっています。さらにもっと効果的な方法として、歌うという方法もあります。歌ってリズムにのせていくことで、より一層記憶を助けてくれるという実験データが出ているのです。
そもそも物理的に音読では文章を深く読まざるをえないことになります。この深く読むということから、音読をすると内容に対する理解度がアップします。
上手く音読するとは、意味の切れ目や文章構造にそって滑らかに声に出して読むということであり、それが途切れ途切れにならないようにスムーズにできることが理解できているということにつながっていきます。
音読して声に出して読むと、人は自分が文字を声に出して読んでいるという自分の行動自体を認識するようになります。この認識、自分がそういう行動をとっているということが自己参照効果を生み出すきっかけになります。
音読をさらに有効活用する2つの方法
このように、音読とは非常に基本的な効果の高い学習方法です。すでにご紹介した通り、大きな声を出すだけでもその効果は高まりますので、冒頭で指摘した日本人英語学習者にありがちなポイント、「声が小さい」「音読をしない」というのはその真逆になってしまいます。このことは音読というトレーニングを行っていく上で非常に重要なことですので、何となくの理解ではなく、音読すること、声を出すことがいかに重要であるかは完全に理解しておきましょう。
パーソナライズ音読
パーソナライズ音読とは、音読する文章の中に出てくる主語を自分に置き換えて読むという方法です。
Kate likes playing tennis. She is planning to play tennis with her friends on Sunday.
ここで、ケイトという登場人物を自分に置き換えますます。
I like playing tennis. I am planning to play tennis with my friends on Sunday.
文章の主語を自分に置き換えて読むのがパーソナライズ音読という方法です。
自己参照効果のように、学習内容を自分事として捉えて積極的に学ぶように取り組む学習スタンスのことは、広くはアクティブラーニングという言葉で説明されています。
話しかけるつもり音読
1.黙読、2.唇は動かすが声に出さない、3.普通に音読、4.人に向かって音読、という4種類の読み方です。この方法で読んだ後に単語テストをしたところ、4の人に向かって音読が圧勝という結果だったようです。
なぜこのような結果になったのかというと、どうやら人に向かって音読する時、人の脳の社会的活動を司る部位を刺激することができるため、記憶への定着率などが段違いに上がるということのようです。コミュニケーションの要素を加える、というのは学習効率を飛躍的にアップさせる1つのポイントになりますが、話しかけるつもり音読は脳の社会的活動に関わる領域を活性化させることができるので、人とのつながり、コミュニケーション要素を持つ音読ということになり、記憶の定着率も圧倒的に優れているというわけです。
・音読は運動機能や感覚機能などを刺激して記憶力をアップさせる(大きい声を出したり歌うようなリズムを使うとさらに良い)。
・音読をすると物理的にしっかり読むことになり理解が深まる。上手く読むには意味が分かっていなければならず、上手い音読の練習は読解力を高める。
・音読は、文章を読んでいる自分を認識する自己参照効果を産み出し、内容を自分事として捉えるようになり、さらに理解や記憶を強化する。
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